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損害賠償の請求が内容証明郵便で届いたとき、どのように対応すべきか

2023年06月15日
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損害賠償の請求が内容証明郵便で届いたとき、どのように対応すべきか

損害賠償請求とは、比較的身近な法律が関係する手続きのひとつです。だれしも、請求する側、請求される側、どちらにでもなりえます。
たとえば、交通事故を例に考えていただくとイメージしやすいでしょう。那覇市はホームページ上で、自転車の通行マナーを守ることを促すとともに、損害賠償事例を紹介しています。当該ページで紹介されている通り、たとえ誰かを負傷させる意図はなくとも、交通ルールを無視して事故を起こしてしまうと、数千万円にも上る損害賠償金を請求されてしまうことがあるのです。

損害賠償請求をされた場合、必ず提示された金額を支払わなければいけないのでしょうか。また心当たりがない場合は、どのように対応するべきなのでしょうか。
本コラムでは、損害賠償請求をされた側(加害者側)がとるべき対応について、ベリーベスト法律事務所 那覇オフィスの弁護士が解説します。

1、損害賠償を請求されたら確認するべきこと

損害賠償請求とは、「不法行為」や借金を返済しないなどの「債務不履行」に対して、金銭で賠償を求めることを指します。いきなり裁判を提起されることもありますが、まず相手方は内容証明郵便を送るなどして、任意の支払いを求めてくるケースが多いでしょう。では、内容証明郵便で賠償を求められた場合、どのようなことを確認するべきなのでしょうか。

  1. (1)損害賠償の内容や相手に心当たりがあるか

    書類が届いたら、まずは内容をよく読みましょう。
    書類には相手が「自分のどのような行為が原因で」「何に基づき」「いくらの支払い/どのような対応を求めているか」が書かれているはずです。直近の出来事のこともあれば、数年前のこともあります。心当たりがあるのか、請求内容に納得できるのか、考えてみてください。

    たとえ心当たりがあったとしても、相手の不満がそこまで大きいとは気づいていなかった場合、賠償を求められて驚いてしまうかもしれません。一方で、まったく心当たりのないことであれば、何かの行き違いがあった可能性や、相手の勘違いという可能性もあり得るでしょう。

  2. (2)賠償額は妥当か

    事案に心当たりがある場合、相手が主張する賠償額が妥当かどうかもチェックする必要があります。

    たとえば、不倫をしていた相手の配偶者から損害賠償(慰謝料)を請求された場合、不倫の期間や別居・離婚の有無などによって金額は変わります。
    そのため、金額に根拠がなかったり、あまりに法外な額だったりする場合には、求められるままに支払うのではなく減額を求めるべきです。ただし、金額が妥当かについては、それぞれの事情から判断する必要があるため、弁護士に相談するのがよいでしょう。

  3. (3)対応に期限は設定されていないか

    損害賠償を求める書面には、文中に「○日までにお支払いください」「本書到達後、○日以内に支払いがない場合、法的措置にうつります」などと対応期限が書かれているでしょう。

    内容証明郵便自体に法的拘束力はありませんので、支払わなかったとしてもなんらかのペナルティーが科さられることはありません。

    とはいえ、期限を無視して何もしなければ、法的手続きへ移行していく可能性が高く、事態が悪化することになります。損害賠償請求において、内容証明郵便の送付は最初の一歩にすぎないのです。

2、心当たりがある場合にとるべき行動

相手の主張に心当たりがある場合には、絶対に請求を無視してはいけません。一方で、無条件に受け入れる必要もありません。まずは、次のような対応をとりましょう。

  1. (1)消滅時効期間が経過していないかを確認する

    損害賠償請求権の消滅時効期間を過ぎてしまった場合は、義務者が時効を援用することにより、損害賠償請求権も消滅します。

    以前は請求原因によって期間が細分化されていましたが、民法改正により令和2年4月からは以下の二つにまとめられました。

    不法行為に対する損害賠償(民法 第724条)
    損害および加害者を知ってから3年以内、かつ不法行為から20年以内。
    ただし生命・身体の侵害による場合は、加害者を知ってから5年以内、かつ不法行為から20年以内。


    債務不履行に対する損害賠償(民法 第166条・167条)
    権利を行使できることを知ったときから5年以内、かつ権利行使できるときから10年以内。
    ただし生命・身体に侵害による場合は、権利行使できることを知ったときから5年以内、権利行使できるときから20年以内。


    損害賠償の原因となった事故などの時期と照らし合わせて、消滅時効が完成していないかを確認しましょう。

  2. (2)相手と交渉する

    内容証明郵便が送られてきた段階では、まだ裁判は起こされていないでしょう。
    そのため、内容について異議がある場合は、相手方と直接交渉することになります。相手に弁護士がついている場合には、交渉相手は弁護士です。

    加害者だからと責任を感じて相手の求めるままに支払ってしまう方もいますが、被害者の要求をすべて受け入れなければいけない、というわけではありません。まずは相手が求めていることをしっかりと確認し、賠償額の減額ができるか、支払いの猶予が可能なのか、などを話し合いましょう。

    話し合いで折り合いがついた場合は示談書を作成し、支払いをして解決できます。

3、心当たりがない場合にするべきこと・してはいけないこと

内容証明郵便を読んだものの、内容に心当たりがない場合や相手が主張することに到底納得ができない場合には、次のような対応をとりましょう。

  1. (1)無視はしない

    まず内容に身に覚えがなくても、無視はしないでください。

    相手が勘違いをしている可能性もありますが、逆に自分が忘れてしまっているだけで、相手はきちんと証拠に基づいて請求している可能性があります。証拠に基づく請求の場合、無視をすれば裁判に発展するでしょう。
    また、注意したいのは、届いたのが内容証明郵便ではなく「訴状」だった場合です。この場合、無視をすれば敗訴になる可能性があります。絶対に放置せず、すぐに弁護士へ相談してください

  2. (2)すぐに支払わない

    心当たりがなくても「払わなければ裁判を起こす」という内容に慌てて、相手の言うとおりの額を支払ってしまう方がいますが、これは絶対にしてはいけません。

    相手が主張するような被害が本当に発生していたとしても、賠償額が妥当かどうかはきちんと確認しなければいけません。また、虚偽の内容を元にお金をだましとる、詐欺の可能性もあります。

    対応期限が迫っていても個人で判断せずに、弁護士に相談した上で対応するようにしましょう。

  3. (3)相手に通知する・交渉する

    請求内容に身に覚えがない場合や明らかに事実無根の場合には、しっかりと反論しましょう。
    まずは回答を書面にして、内容証明郵便で送り、必要に応じて交渉を行います。なお、交渉は弁護士を介して行うほうがよいでしょう。当事者間で食い違いが生じている状況で、直接交渉しようとすれば、さらなるトラブルに発展する恐れがあります。

4、弁護士に依頼したほうがよいケース

損害賠償を請求された場合、反論や交渉は精神的な負担も大きいため、弁護士のサポートを得るのが得策と言えますが、特に次のようなケースでは、弁護士へ相談することをおすすめします。

  1. (1)請求額を支払えない

    相手が主張する内容に心当たりがあっても、賠償額が高額な場合や、支払う財力がなければ、すぐには支払いに応じることはできないでしょう。ただし、相手が主張する金額は、必ずしも妥当なものとは限りません。事故の賠償金や不倫慰謝料など、損害賠償額には相場があります。

    弁護士は判例や法的知見を元に、状況に応じた的確な相場を算出した上で交渉することができます。また、支払いが難しい場合には、相手方に事情を説明した上で、減額や分割払いなど対応ができるように交渉を行うことも可能です。

  2. (2)相手ともめている

    すでに相手ともめてしまっている場合には、残念ながら当事者同士では解決できない可能性が高いでしょう。

    弁護士は、こじれてしまった状況を整理しつつ、納得できる折り合い点がみつかるように交渉します。また、弁護士という第三者が代理人となることで、感情的にならず冷静な話し合いが期待できるほか、相手と直接顔をあわせずに交渉を進めることが可能になります。

    裁判になれば、時間やお金、精神的な負担は大きくなります。できるだけ早期に、穏便に解決するためには弁護士のサポートが必須です。

  3. (3)心当たりはあるが相手方の手元にその証拠がないと考えられる場合

    このような場合も、すぐに相手方の請求に応じるのではなく、弁護士に対応をご相談ください。

5、まとめ

突然、損害賠償を請求されれば、驚き、不安になるものですが、焦って対応するのは禁物です。まずは落ち着いて、請求された内容をしっかりと確認した上で、慎重に対応しなければいけません。
そのため、損害賠償を請求された場合は、まずは弁護士へ相談することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所 那覇オフィスでは、内容証明郵便の内容の確認から、相手との交渉、裁判と、解決まで徹底的にサポートします。突然、損害賠償を請求されてお困りの方や対応に苦慮されている方は、まずはご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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