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嫁にいった娘は相続権がない? 民法による遺産相続の順位について解説

2020年03月26日
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嫁にいった娘は相続権がない? 民法による遺産相続の順位について解説

那覇市を県庁所在地とする沖縄県は、女性社長率が全国2位の10.41%を誇っており、女性が活躍する風土が醸成されていることが裏付けられました。このデータからすると、沖縄県は女性の社会進出に対する意識も高い土地柄だといえるでしょう。

女性の社会進出が進む一方で、女性の相続に関するトラブルが浮上することがあります。結婚して女性が夫の姓を名乗るようになり、家族から「夫側の戸籍に入って姓も変わったのだから、こちらの相続権はなくなった」といわれてしまうと、本当に相続権がなくなったのかと不安になる方もいるのではないのでしょうか。
たしかに、いわゆる「嫁に行った」状態の女性は夫側の親族になっているので、実家側の財産についての相続権がなくなっているように思いこんでしまう方もいるかもしれません。

ここでは、遺産相続の順位について触れながら「嫁にいった」状態の娘の相続権について、那覇オフィスの弁護士が解説します。

1、「嫁にいった娘」は相続権がなくなる?

婚姻すると、夫または妻の姓のいずれかを名乗ることになります。
女性が夫側の姓を名乗るようになると、いわゆる「嫁にいった」と呼ばれる状態になり、その良し悪しは別にして、一般的にいえば「夫側の家に入った」という評価をされることが、現在でも少なくありませんが、実家の財産についての相続権には影響するのでしょうか?

  1. (1)法定相続人とは?

    故人である「被相続人」の財産を相続できる人を「法定相続人」といいます。
    法定相続人は民法によって定められており、相続が発生した際に誰がどのような割合で財産を相続できるのかが明確に規定されています。

    法定相続人になれるのは、次のふたつのパターンに限られます。

    • 被相続人の配偶者
    • 被相続人の血族


    配偶者は、民法第890条によって「常に相続人になる」と規定されています。
    「被相続人の血族」とは、被相続人と血縁上のつながりがある人を指しますが、実際の血のつながりがない場合でも養子縁組を結んでいる関係は血族とみなされます。

  2. (2)「嫁にいった娘」にも相続権はある

    法定相続人のなかには、被相続人からみた「子ども」も含まれています(民法第887条)。

    問題となるのは、被相続人である「子ども」が婚姻によって別姓に変わった場合です。ただし、民法では別姓に変わったからといって「子ども」である立場が変わるとは規定していません。
    つまり、女性が婚姻によって夫側の姓を名乗るようになっても、新戸籍に変わったとしても「子ども」である事実には変更がなく、法定相続人としての立場は維持されます。

    そのため、「嫁にいった」といわれる状態でも法定相続人であることに変わりはなく、相続権が失われることはありません。

2、「嫁にいった娘には相続をさせない」という風潮がある理由

民法の定めでは、婚姻によって別姓に変更されたとしても、相続権には影響しません。
つまり「嫁にいった娘」にも相続権はあります。
ところが、このような民法の定めがあるにもかかわらず、いまだに「嫁にいった娘には相続をさせない」と考える風潮は未だに少なからず存在しています。
なぜわが国の社会には「嫁にいった娘には相続をさせない」という風潮があるのでしょうか?

  1. (1)旧来の「家督相続」制度の考え方が影響している

    「嫁にいった娘」のように、従来の家族関係から外れたとみなされる人について相続権までもが失われるといった風潮は、旧来の「家督(長子)相続」に強い影響を受けています。

    明治31年に制定された民法では、ひとつの家族に対して戸主をおき、戸主に家の統率権限が与えられていました。戸主が死亡した場合、長男が新たな戸主の立場を継承し、故人の財産を相続するのも戸主たる長男の権利だとされてきました。つまり家族の統率権や財産は、家を出ていない長男がすべて継承するのが当然という制度が敷かれていたのです。

    また、女性は婚姻を結ぶことで「妻ハ婚姻二因リテ夫ノ家二入ル」と表現され、生まれ育った家族の立場から除されるものとされてきました。

    これが「嫁にいった娘には相続をさせない」という考え方の源流です。昭和22年に民法が改正され家督相続は消滅しましたが、現在でも一部の地域においては家督に対する意識が根強く残っているといわれています。

  2. (2)相続放棄を強いられるケースも

    家督相続は、戦後間もなく廃止された古い制度です。
    ところが、この考え方は日本の「家族」に対する意識に深く根付いており、現代でも当然のように家督制度に準じた相続を重んじる人は意外にも多いという現実があります。

    特に、古いしきたりを大切に考える人や、家業があるなど一家総出で職務に従事している家庭などでは、いまだに家督に対する意識が根強く残っています。民法の定めよりも「家は男系が継ぐものだ」という風習を重んじてしまい、婚姻によって姓が変わった娘には相続放棄を強いるというケースも珍しくありません。

    このようなケースでは、相続放棄の代償として法定相続分には満たない程度の少額の金銭を分与するというかたちが取られることもあるようですが、親族ともめたくない、仕方ないと泣き寝入りしていることも少なくないようです。

3、民法による相続順位の基本

「嫁にいった娘」に、相続権があることは前述の通りです。それでは、婚姻によって姓が変わった「嫁にいった娘」は、相続においてどのような立場になるのでしょうか?
民法による相続順位の基本に照らしてみていきましょう。

法定相続人の相続順位は次のように決められています。なお、民法第890条の規定により、配偶者は「常に相続人」になります。

  • 第一位 子ども
  • 第二位 直系尊属(親等がもっとも近い者)
  • 第三位 兄弟姉妹


法定相続人のうち、上位の者がいない場合は直下の順位の者が繰り上がります。
たとえば、第一位の子どもが存在しない場合、第二位の直系尊属が相続人となります。直系尊属とは自分よりも前の世代の直系血族で、相続順位においては被相続人の父母・祖父母を指すと考えれば良いでしょう。ただし、義父母は血族に含まれないため法定相続人にはなりません。

上記に照らし合わせれば、婚姻によって夫の姓を名乗るようになった娘は、ふたつの相続権を有することになるのです。

まず配偶者として、夫の財産を相続する立場になります。
さらに、民法887条の規定に従い、婚姻前の家族においても相続権を有します。具体的には、両親などが死亡した場合、子どもの立場として第一位の法定相続人の立場を得ることになります。

相続財産の割合は、配偶者が2分の1、そのほかの法定相続人の人数で2分の1を等分します。
「嫁にいった娘」は、夫が死亡した場合には夫の財産の2分の1を相続します。自身の父母のいずれかが死亡した場合は両親の財産のうち2分の1を、父母ともに亡くなった場合は、全財産を兄弟姉妹の人数で均等に分配して相続するのが基本です。

4、遺産分割協議で相続財産を決定する

原則として、遺産相続の割合は前述した法定相続分に従うことになりますが、この割合に従わない分配をおこなう場合は「遺産分割協議」によって取り決めをする必要があります。

  1. (1)遺産分割協議とは?

    遺産分割協議とは、相続が発生した際に、被相続人の全員が遺産の分配割合や方法について話し合うことをいいます。

    元来、故人が遺言書を作製していない場合は、遺産分割は法定相続分に従っておこなわれますが、遺産を法定の割合に従って均等に分割できないケースは少なくありません。

    たとえば、父母の両方が死亡している場合は、実家に残って住んでいた長男が土地・建物を相続し、残った兄弟姉妹で預貯金などを相続するといった分割方法が考えられます。また、故人を最期まで献身的に介護してきた娘に、法定相続分よりも多く分配するといったケースも考えられるでしょう。

  2. (2)「相続権はない」といわれた場合の対策

    「嫁にいった娘」でも、本来は法定相続分の財産を相続する権利を持っています。
    ところが「嫁にいったから相続はさせない」といわれてしまい、実家の財産について相続放棄を強いられたり、勝手に遺産分割協議で話をまとめられてしまったりといったケースも少なからず存在しています。

    もし、相続が発生したのに「相続権はない」といわれてしまった場合は、すぐに弁護士に相談しましょう。

    代理人となった弁護士が遺産分割協議に参加すれば、当然に主張できる法定相続分の遺産分割を求めることができます。
    「嫁にいったのだから相続権がなくても当然」と考えている人のなかには、勝手に決めた遺産分割協議書を示して「はんこだけ押せばいい」などと迫ることがあります。ご自身だけで対応していれば兄弟姉妹の上下関係に負けて同意せざるを得ない状況があるかもしれませんが、弁護士が代理人になっていれば、ご本人に代わって代理人が法的権利を主張するので、不本意な相続放棄等を強いられることはまずありません。

    また、被相続人が家督制度を重んじて「長男にすべての財産を相続させる」といった遺言書を残していた場合でも、「遺留分」を主張することができます。
    遺留分とは、配偶者、子ども(代襲相続人)、直系尊属(父母)に限って認められる、最低限の遺産相続分を指します。

    遺留分を主張する場合は、遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)をおこなう必要があります。まずは内容証明郵便などで意思を示しますが、ほかの相続人がこれに応じない場合は、裁判所に調停・訴訟を申し立てることになります。
    遺留分を主張する場合も、弁護士に一任するのが賢明でしょう。

5、まとめ

「嫁にいった娘には相続権はない」という考え方は、旧時代のものです。民法においても「被相続人の子は相続人となる」と明記している以上、たとえ姓が変わっても、夫側の家庭に入ったとしても、生まれた家の法定相続人という立場に変わりはありません。

遺産分割協議で著しく不利な条件を提示されている、相続放棄を迫られている、自分には遺産分割しない内容の遺言書が残されているといったケースでは、まず弁護士に相談するべきでしょう。

ベリーベスト法律事務所 那覇オフィスでは、相続に関するトラブルの対応実績が豊富な弁護士が、一方的に不利な条件での相続を強いられてお悩みの方の相談を受け付けています。

「嫁にいった」という理由で相続が不利になることはありません。遺産分割協議への参加や遺留分侵害額請求などによる対抗が可能なので、まずはベリーベスト法律事務所 那覇オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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