離婚問題を弁護士に相談したい! 相談に行くときの準備のポイントとは
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平成30年に、那覇市が受理した離婚件数は805件でした。
離婚は、人生を左右する決断です。いざ、気持ちを固めても「離婚をしたいけれど、どのように進めれば良いのか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。離婚を何度も経験している人はそう多くはいませんので、誰でも分からないことだらけで悩んでしまうものです。
また、離婚問題には、親権や慰謝料といった専門的な知識を必要とすることも多くあるため、弁護士に依頼したいと考えている方もいるでしょう。そこで今回は、離婚問題を弁護士に相談する前に知っておくべきこと、準備すべきことについて解説します。
1、弁護士に相談できる時間は限りがある
「離婚したいけどどうすればいいのだろうか」「相手が応じてくれない場合には裁判をしないといけないのだろうか」「離婚したら子どもの養育費はどうなるのか」など、専門的な知識がないと簡単には分からない問題を抱えている場合、弁護士に相談しようと考える方も多いでしょう。
初回は無料で相談を受け付けている法律事務所も多いので、悩んでいる方はこのような無料相談を利用してみると良いでしょう。
また、法律事務所以外にも離婚問題の相談先はあります。
たとえば、国が設立した法律支援団体である「法テラス」では、ひとつの事件につき3回まで無料で相談が可能です。その他にも那覇市では、さまざまな種類の特別相談が実施されており、身上相談員に家庭内のもめごと、夫婦間の問題などを相談することができる「悩み事相談」も開催されています。同じく市が実施する弁護士の無料相談もあり、法律問題全般の相談をすることができます。
ただし、ご自身が法テラスや市役所の法律相談に行った際に、相談を担当する弁護士が必ずしも離婚問題に精通しているとは限らないという点は、注意しなければいけません。また、法テラスについては、収入等が一定額以下であることなど利用条件が定められており、該当しない場合は利用することができません。
そして、相談に行く前に知っておいていただきたいのは、相談時間には限りがあるということです。
法律事務所では、1回の相談時間は30分~1時間ほどの制限が設けられていることが多いです。法テラスであれば、無料相談は1回30分程度。市役所での相談については30分以内です。
このように、各機関で無料相談をする際には、通常は制限時間が設けられていますので、限られた時間のなかで、ご自身の置かれている状況や考えを、きちんと伝えなければいけません。そのためには、事前に話す内容や質問するべきことを整理しておくなどの準備が必要です。
2、弁護士に離婚相談に行く前に準備すべきこと
ここでは、弁護士に相談に行く前に、準備するべきことをあげていきます。相談に行く前の心構えとしても知っておくと、相談の時間が有益なものになります。また、これらの準備を進めるなかで、ご自身の考えも整理されていくでしょう。
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(1)離婚したい理由を明確にしておく
そもそも、自分は離婚ができる状況なのかを客観的に判断してもらうためにも、ご自身が離婚したい理由を明確にしておくことが大切です。
民法では、第770条において、離婚が認められる「法定離婚事由」を、以下のように規定しています。- 配偶者に不貞な行為があったとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
夫婦のどちらか一方に「法定離婚事由」に該当する事実がない場合、たとえば性格の不一致といったケースであっても、双方が同意すれば離婚は成立します。
しかし、相手が離婚に応じてくれない場合には、裁判を起こして、あなたが離婚したい理由が「法定離婚事由」に該当することを裁判所に示し、離婚を認める判決を取得する必要があります。
離婚裁判になった場合には、法定離婚事由があるかどうかが争点になってきます。ご自身が離婚したい理由について、相談先の弁護士に順を追って説明できるようにしておきましょう。
また、あなた自身が「有責配偶者」として扱われる場合、あなたからの離婚請求は原則として認められません。有責配偶者とは、婚姻関係破たんの原因について責任がある配偶者のことです。
つまり、あなたが不貞行為をしていたといった場合は、あなたから離婚を請求することは原則的にはできないのです。
ただし、例外的に離婚が認められるケースもありますので、事実や状況をご自身のなかで整理したうえで、弁護士に相談するのが良いでしょう。不倫をしていた場合など、後ろめたい気持ちを抱えていることがあるかもしれません。しかし、弁護士はあなたの立場に立ってアドバイスをします。包み隠さず事情を説明することで、解決へ近づくことができます。 -
(2)相手の責任を問いたい場合は証拠をそろえる
たとえば離婚の原因が相手の不倫であるなど、相手の責任を追及したい場合は、証拠が必要になります。
不倫であれば、配偶者と不倫相手の間に性的行為があったことが読み取れるメールや一緒に撮った写真、利用したラブホテルの領収書など、手に入るものはできる限り保管しておきます。弁護士に相談する際にある程度の証拠がそろっていれば、相談当日により具体的に今後の見通しが立てられるでしょう。
ただし、違法な方法で集めた証拠については証拠として認められないこともあります。無理のない範囲で証拠を集め、弁護士に対応を相談するのが良いでしょう。また、証拠をどのように集めたら良いか分からないといった場合も、弁護士に相談するのが得策です。必要な証拠やその集め方について、的確なアドバイスがもらえます。
なお、出来事は時系列に沿って説明することが大切です。書面にして持参すると、相談当日もスムーズに話せるのでおすすめします。 -
(3)夫婦の財産状況を明らかにする
離婚となれば財産分与の話し合いをすることになりますので、夫婦の財産状況を明らかにしておきましょう。夫婦がそれぞれ、どのような財産をどのくらい持っているのか、また借金はあるのかということを整理しておいてください。
銀行口座や、保険、株、不動産、車、高額な美術品などの他に、ローンや借金がある場合も内訳を書き出し、持参すると良いでしょう。 -
(4)弁護士に聞きたいことを決めておく
弁護士に相談したい内容は、慰謝料についてでしょうか。それとも親権についてでしょうか、養育費のことでしょうか。
離婚問題といえども、人によって問題のポイントは異なります。ご自身が何について一番問題だと思い、解決したいと思っているかを、整理しておきましょう。そうすることで、弁護士に最低限聞いておきたいことがはっきりとします。
一般的に多い相談内容は、以下のような問題です。- 離婚できるかどうか
- 親権はどうなるか(親権を取るためにはどうすれば良いか)
- 養育費はもらえるか
- 慰謝料はもらえるか
- 財産分与でどれくらいのお金が入るか
- 弁護士費用について
- 今後、離婚に向けて何をするべきか
ここで、ひとつ確認しておきたいのが、弁護士に相談できるのは法律に関する問題である、という点です。つまり、法律で解決していくような内容を相談するべきです。
ご自身の置かれている状況や考えを整理してみた結果、場合によっては弁護士よりも他の相談先の方が適していることも、あるかもしれません。身の上相談であれば、自治体の相談員が合っているかもしれませんし、心情的な問題が大きいのであれば、離婚問題を専門的に扱う「離婚カウンセラー」に相談するという選択肢もあります。
弁護士に相談するのが適切かどうかを知るためにも、ご自身の相談内容をはっきりとさせておきましょう。
3、まとめ
今回は、離婚について弁護士に相談するときに役立つ、事前準備についてご説明しました。限られた相談時間を有意義なものにするために、ぜひしっかりと準備をしたうえで、相談に行ってみてください。もちろん、準備をするなかで分からないことがたくさん出てくると思います。そのときは、あまり思い詰めずに、相談当日に弁護士に質問するリストに加えておきましょう。
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