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【前編】専業主婦でも親権を獲得するにはどうすれば良いのか? 弁護士が詳しく解説

2019年04月25日
  • 離婚
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【前編】専業主婦でも親権を獲得するにはどうすれば良いのか? 弁護士が詳しく解説

日本の法律上、未成年の子どものいる父母が離婚するときには、どちらが親権を持つのかを決めなければ離婚することができません。

政府統計によれば、平成28年度に離婚した未成年の子どもを持つ夫婦のうち、母親が全児の親権を持つ割合は84.4%となっています。(※)この数字が示すように、親権争いでは一般的に母親の方が有利とされていますが、経済力を持たない専業主婦でも親権は取れるのでしょうか。今回は、親権がどのように決まるのか、そして専業主婦が親権を獲得するためにはどうすれば良いのかを解説します。
(※厚生労働省政策統括官「平成30年 我が国の人口動態」)

1、親権争いでは子どもの利益が重視される

親権をめぐって父母間で争いが生じたときには、離婚調停や離婚裁判のときに家庭裁判所でどちらが親権を持つべきかを判断することになります。その際に判断材料のひとつとなるのが、「子の利益」です。裁判所では、父母のどちらが親権を持つほうが「子の利益」にかなうのか、子どもの意思を含めさまざまな事情を考慮して決定します。

  1. (1)「子の利益」とは

    じつは「子の利益」に明確な定義はありません。平成24年に民法が改正される以前は子の「福祉」という言葉が使われていました。しかし、改正民法では、親権者や面会交流、養育費などは「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」というように、「子の利益」が条文に明記されました。

    離婚条件について協議を行う際、子どもの気持ちを第一考えるよう父母に義務を課すことで、非監護親を育児から排除したり非監護親の責任回避を防止したりするのに役立つであろうと言われています。子の利益については、以下のような父母の事情と子の事情をそれぞれ鑑みてよく検討すべきでしょう。

  2. (2)父母の事情

    父母側の事情としては、以下のような要素が考慮されます。

    ①監護への意欲
    子どもへ愛情をどれだけ注いでいるか、どれだけ子育てに対する意欲があるのかどうかが見られます。育児の時間がきちんと取れるかどうかも大事なポイントです。

    ②現在または将来の監護能力
    父母それぞれの年齢や心身の健康状態、収入状況・資産、親きょうだいからのサポートの有無などが考慮されます。

    ③生活環境
    落ち着いて暮らせる家庭環境か、きちんと教育が受けられる環境にあるかが判断されます。

  3. (3)子の事情

    子ども側の事情としては、以下のような点が考慮されます。

    ①子どもの年齢・性別
    子どもの年齢や性別が考慮されます。年齢が小さければ小さいほど、母親との結びつきが強くなる傾向があることから、母親側が親権を得られやすくなる傾向にあります。

    ②心身の発育状況
    心身の発育状況についても、判断の対象となります。

    ③子どもの意向
    子どもの意思も大事な判断材料になります。特に15歳以上の場合は、法律上子どもの意向をきちんとヒアリングしなければならないとされています。

2、親権者の判断基準

親権者を決定する際には、「継続性の原則」「子どもの意思尊重」「兄弟姉妹不分離」「母性優先の原則」「面会交流に協力的」の5つの基準が判断材料になります。それぞれの内容について見ていきましょう。

  1. (1)継続性の原則

    子育てにかける時間の割合が父母で極端に異なる場合、より子育てに時間をかけているほうが有利になります。また、子どもが学齢期の場合は転校をせずに済むこと、友人関係が変わらないことも考慮されます。

  2. (2)子どもの意思尊重

    子どもの話を聞き、発言内容を十分検討した上で判断されます。実務上、10歳前後の子どもには家庭裁判所から裁判官から対面もしくは書面で意見の聴取が行われます。また、裁判官の代わりに家庭裁判所調査官が面会し、子どもが言葉で表現しきれない気持ちを専門的知見から評価・判断した上で、裁判所側に伝えることもあります。

  3. (3)兄弟姉妹不分離

    子どもが複数いて、なおかつその子どもたちが小さいうちは、兄弟姉妹はできる限り離さず、一緒に暮らすほうが良いとされています。ただ、年齢が上がるにつれてあまり重視されなくなる傾向もあります。

  4. (4)母性優先の原則

    特に子どもが乳幼児期の場合は、特別な事情がなければ親権者として母親を優先すべきとされていました。しかし、男女平等の意識が広まりつつあり、男性も積極的に育児参加をするようになった現在では、重視されなくなってきつつあります。

  5. (5)面会交流に協力的

    子どもと別居することになる非監護親には、面会交流権があります。そのため、非監護親と子どもとの面会交流に積極的な姿勢を見せれば、有利になりやすい傾向があります。

3、母親の浮気が原因で離婚する場合

もし、母親側が配偶者以外の男性と浮気や不倫をして離婚することになった場合、親権争いで不利になってしまうのでしょうか。ここでは、専業主婦の母親が浮気してしまった場合の親権獲得への影響について解説します。

  1. (1)親権獲得に影響はある?

    一般的に、専業主婦である母親が育児を主に担っているのであれば、母親の浮気・不倫で離婚に至ったとしても母親が親権を獲得できる可能性は高くなります。道徳的な観点から、「他人と浮気・不倫をするような女に子どもを引き渡すべきではない」との考え方もあるかもしれません。しかし、父母のどちらのもとで暮らすのが「子の利益」にかなうかの観点で考えると、母親が有責配偶者だったとしても親権争いでは有利になりやすいと言えるでしょう。

  2. (2)母親側が不利になる場合とは

    有責配偶者である母親が親権争いで不利になりやすいのは、以下のような場合です。

    • 浮気・不倫相手に会いたいために、度々外泊をする
    • 浮気・不倫相手のために生活費をつぎ込んでしまう
    • 浮気・不倫相手が子どもに暴力をふるう  など


    「子の利益」から、上記のようなケースでは養育環境が十分に整っていえず、母親と子どもに情緒的な結びつきがあるとも言えないため、母親が親権を獲得できない可能性が高くなるでしょう。
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  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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