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雇い止めとは? 違法・適法の判断ポイントと労働者がとるべき対応策

2021年10月19日
  • 不当解雇・退職勧奨
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雇い止めとは? 違法・適法の判断ポイントと労働者がとるべき対応策

厚生労働省が公表しているデータによると、新型コロナウイルス感染拡大に関連した解雇等見込み労働者数は、令和3年4月23日時点で約10万人にのぼるとされます。都道府県別にみると、東京都が2万2765人でもっともも多く、沖縄県は2097人でした。

同データによると、解雇見込み数のうち約半数は非正規職員です。「契約が更新されるものと思っていたのに、突然雇い止めをされた」というケースも少なくないことが分かります。

雇い止めは、状況によっては違法となり雇い止め自体が無効となる可能性があることを、ご存じでしょうか。

本コラムでは、雇い止めが違法になるケースと、労働者がとるべき対応策について、ベリーベスト法律事務所 那覇オフィスの弁護士が解説します。

1、雇い止めとは? 解雇との違い

雇い止めとは、有期労働契約で働く従業員について、使用者側が更新を拒否し、契約期間の満了により雇用を終了させることをいいます。

有期労働契約とは、1年契約や6か月契約などと期間の定めのある労働契約で、正社員以外のパートやアルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託社員などに多くみられる契約形態です。なお派遣労働者は、派遣先ではなく派遣元(派遣会社)と締結する労働契約が対象になります。

一方で解雇とは、雇用期間の途中に、使用者側が一方的に雇用契約を終了させることをいいます。解雇は『期間途中』に雇用契約を終了させるものであるのに対して、雇い止めは『期間終了』により契約終了となるという違いがあります。

雇い止め自体は、原則として違法ではありません。しかし雇い止めは、労働者の生活に大きく不利益を及ぼすため、無制限に認められてよいものでもありません。そのため、一定の場合に該当するときは、雇い止め自体が無効になります。

2、雇い止めが違法とされるケースとは?

では雇い止めが無効になる“一定の場合”とは、どのような場合をさすのでしょうか。

  1. (1)雇い止めが違法とされるケース

    平成24年の労働契約法の改正により、従来判例によって「雇い止め法理」として確立されていた内容が、法律上明確に規定されることとなりました。

    雇い止めが無効になるのは、次の①または②のいずれかに当てはまる有期労働契約を結んでいる場合であり、かつ使用者が雇い止めをすることが「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」です。

    • ① 過去に反復更新された有期労働契約で、その雇い止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
    • ② 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時に契約更新されるものと期待することについて「合理的な理由」があると認められるもの
  2. (2)必要な手続き

    雇い止め法理の対象に該当する場合、労働者から有期労働契約の更新の申し込みをしなければなりません。なお、更新の申し込みは、雇い止めを告げられたときに、単に拒否することでも足りるとされます。
    また申し込みをする時期については、契約期間中に限られず契約期間満了後でも遅滞なくすれば問題ありません。

3、無期転換ルールとは?

有期雇用契約で働く労働者は、雇い止め法理と合わせて「無期転換ルール」についても知っておく必要があります。なぜなら無期転換ルールの適用が開始される直前になって、雇い止めされるケースも少なくないためです。

  1. (1)無期転換ルールの概要

    無期転換ルールとは、同じ使用者との間で有期労働契約が通算で5年を超えて更新された場合に、労働者が申し込めば無期労働契約に転換できるというルールです。

    つまり、1年ごとに契約を更新していたケースでは、6年目の契約をする際に無期転換のルールが適用されることになります。
    また、3年ごとに契約を更新していたケースでは、1回目の更新をした後の3年間に労働者は無期転換の申込をすることができるようになります。

    なお使用者は、労働者の申し込みを断ることはできません。

    有期労働契約から転換できる無期労働契約の労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間など)については、別段の定めがない限り直近の有期労働契約と同じ内容になります。なお、無期雇用契約になったとしても、必ずしも正社員になるわけではありません。この点は、理解しておく必要があります。

  2. (2)無期転換ルールの注意点

    無期転換ルールは、通算で5年を超えて更新された場合に適用されます。ただし、通算契約期間の対象は、平成25年4月1日以降の有期労働契約です。
    また、無期転換ルールが適用されると、企業側にとって長期的な雇用が発生するため、5年を超える直前に雇い止めされるケースも発生しています。しかし「雇い止め法理」が適用される場合には、そのような雇い止めの無効を主張できる可能性があります。

    なお、会社側が無期転換ルールを適用しないことを条件に契約更新をするなど、あらかじめ労働者に無期転換申込権を放棄させることは、法の趣旨として許されません。

4、違法な雇い止めにあったときの対処法

違法な雇い止めがあったときには、次のような行動を起こすことで解決につなげられる可能性があります。

  1. (1)証拠を収集して会社と交渉する

    雇い止めが無効であることを主張するためには、まず雇い止め法理の適用があることを証明する証拠を収集する必要があります。たとえば、業務の内容や契約更新の事実が分かる証拠、更新を期待させるような合理的な事情があったことを示す証拠などが考えられます。

    なお、使用者は、雇い止め予告が必要な労働者から、雇い止めの理由について証明書の請求を受けたときは、遅滞なく交付しなければならないとされています。また、雇い止めの理由については、契約期間満了とは別の理由とすることが必要とされています。

    雇い止めが無効であることを示す証拠を収集した上で、会社側へ申し入れを行います。

  2. (2)労働審判・裁判で解決をはかる

    違法な雇い止めに対しては、法的手続きである労働審判や裁判で解決をはかる方法もあります。会社側が交渉に応じないような場合にも、有効な手立てです。

    労働審判とは、裁判官と労働審判委員が当事者の間に入って、原則的に3回以内の期日で労働トラブルを審理する手続きです。調停が不調に終われば裁判官が審判を言い渡しますが、審判に対して当事者が異議を申し立てれば審判の効力は失われて通常の裁判に移行します。

  3. (3)総合労働相談コーナーや弁護士に相談する

    違法な雇い止めにあった場合、労働局や労働基準監督署内に設置させている、総合労働相談コーナーに相談するのも一案です。違反しているケースであれば、労働基準監督署が会社に行政指導などを行ってくれることはあります。
    しかし労働基準監督署が動いてくれない場合、あるいは労働基準監督署が指導を行ったにもかかわらず状況が改善されない場合、さらには個人で企業と交渉するのが難しいと感じる場合など、しっかりと専門家のサポートを受けながら解決したいと考える場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。弁護士に相談した際に受けられるサポートについては、次の章で詳しく解説します。

5、弁護士に相談したときに受けられるサポートとは?

違法な雇い止めをはじめとした労働問題を弁護士に相談した際に、具体的にどのようなサポートが得られるのでしょうか。

  1. (1)会社との交渉を任せられる

    弁護士は代理人になれるため、会社との交渉を一任することが可能です。
    弁護士に交渉の一切を任せることができれば、精神的な負担を大幅に軽減できるのはもちろんのこと、弁護士が代理人となることで会社側が交渉に応じるケースも少なくありません。

  2. (2)証拠収集のアドバイスが受けられる

    法的手段で解決をはかる場合には、客観的な証拠は必要不可欠です。
    弁護士は、どのような証拠が裁判所に認められやすいかを熟知しているので、必要になる証拠や収集方法について、適切にアドバイスすることができます。

  3. (3)審判や裁判で的確な主張・立証を行うことができる

    労働審判や裁判では、法的な主張を行い、事実を立証することが求められますが、これらを個人で行うのは困難といわざるを得ません。
    一方で、弁護士であれば、過去の裁判例などを根拠として、少しでも有利な結論に導けるよう、対応を講じることができます。また、手続きや必要書類の準備なども任せることができるので安心です。

6、まとめ

雇い止め自体は原則として違法ではないものの、一定のケースでは違法と認められる可能性があります。違法な雇い止めが疑われる場合は、一度弁護士に相談してみることをおすすめします

ベリーベスト法律事務所 那覇オフィスでは、労働問題の知見が豊富な弁護士が、しっかりとお話を伺い、解決までサポートしています。
「雇い止めにあったものの、違法なのか分からない」「雇い止めの法理に自分が該当するのか」「会社と交渉するのはハードルが高い……」などの理由から、泣き寝入りしてしまう方は少なくありません。
少しでも疑問を感じている状況であれば、ぜひ一度、ご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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